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とりあえず書きたいことを。

大企業がスタートアップに負ける理由

経営陣と現場の考えていることが100%合致して行動していないから。

これに尽きると思います。

僕はいま大企業に勤めているので、大企業の中の人間として、そう思った理由を書いていきます。

 

お互い考えていることがわからない

大企業の定義が何なのだそもそも、という話は一旦置いておきたいのですが、とりあえず従業員数1000名を超える企業とします。

この規模になると、おそらく経営陣は全従業員の顔と名前が一致することはなく、それは従業員側も同様だと思います。社長はわかっても1/5人の取締役はわからない、みたいな。経営陣はより上段の議論をし、現場は日々の数字、KPIの達成に向けて動いていきます。方向性は同じでも細かな部分の思想は同じではないため、結果は出てもどこか一体感がないように感じてしまいます。

思想を同じにしないといけない、というわけではありません。ただ集団でやる以上、個人を取り巻く環境は行動・思考に影響を大きく与えるので、細かなノイズは無いに越したことがないのも事実なのだと思います。したがって、経営陣の目の届く範囲にいる人々が情熱を持ち、同じ方向を向いて仕事をするほうがはるかに突き抜けた結果を残せるのだと感じています。

ウチに閉じこもりがちな大企業の人間

会社に入って思ったことが、会社以外にコミュニティを持っている人って案外少ないんだなということです。

社内の人間と仲良くすることは、仕事を円滑に進めるために有効な方法のひとつだと思いますが、休日までそのコミュニティに属していたら名実ともに会社に属することになります。多様な人間がいることは否定しませんが、一方で似たような価値観の人間が集まっているのが会社でもあり、そうなると必然的に視野が狭くなります。もちろん、社外のコミュニティも往々にして似た価値観を持った人々の集まりですが、共通文脈が「会社」しかない集まりよりもっと広がった文脈を持っている社外コミュニティのほうが得られるものはあると思っています。

その点、社外コミュニティとのつながりをかなり重視するスタートアップでは、情報量や真に重要な学びを得やすいなぁと気づきました。

まとめると

それぞれの思考は違うくせに無理やり仲間であることを確認しまくるのが、大企業の人間の特徴ではと考えています。

仲間であることを確認しまくることの弊害は、その会社の基準(=是とされていること)に合わせようと無意識に頭を使ってしまうことです。これをやり始めると、会社から評価されないこと、されにくいことは意味がないのでやらず、結果としていま流行りの「イノベーティブ人材」なるものが社内にいないということになるのです。

経営陣は現状と理想のギャップを埋めるために方向性を提示しますが、現場ではそれが更に細かい指標や方針になって降りてくるため、ときとしてニュアンスが微妙に異なることもあると思います(伝言ゲームみたいなもので)。こうなると、経営陣の考えていることと現場の考えていることに乖離が起き、全体のバランスを取ることが困難になり一極集中的にマーケットを攻めるスタートアップに負けることになるのです。

前述したことに絡めるなら、経営陣の考えている評価軸とそれに対する現場の考える評価軸に違いが生まれることにより、手段と目的の履き違えが発生してしまうなどという悲劇が起きてしまいます。

まさに企業の雰囲気が180度違うことが、大企業の負ける理由の一番大きな理由なのかもしれません。